就職に有利?建築プロジェクトマネジメントの学位について
コンストラクション・マネージャーの職種を募集している企業では、ほとんどの場合、応募者に対して学士号を採用基準の一つとして挙げているようだ。しかし、建築業界において昇進していくためには、本当に建築プロジェクトマネジメントに関連する学位が必要なのだろうか?例えば、4年制大学に通って、この分野の学位を取得するとなると、年間28,000ドルから116,000ドルの学費がかかることもあり、決して安い選択肢とはいえない。
ここ数年で、建築学の学位は、より人気が上昇してきている。全米学生クリアリングハウスリサーチセンターによると、4年制大学の建築学部の入学者数は2019年には5.7%増加したそうだ。
建築プロジェクトマネジメントの学位が自分に合うかどうかを判断するには、メリットとデメリットを比較検討してみよう。学位取得のために大学に通うとなると、高額な学費を支払うことになるだけでなく、短い人生のうちの4年間を捧げなければならないということもお忘れなく。
建築プロジェクトマネジメントの学位とは何?
大学またはカレッジで取得できる建築プロジェクトマネジメントの学位は、プロジェクトの計画から予算の編成、労働者への指揮にいたるまで、マネジメントのあらゆる側面について学んでいく。建物を完成し、顧客に引き渡すまでの間、すべての段階においてプロジェクトを管理する方法を勉強し、最終的には建築プロジェクトマネジメントの学位を取得できる。
このことを念頭に置きつつ、以下では、建築プロジェクトマネジメントの学位を取得することのメリットとデメリットを詳しく見てみよう。
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メリット:企業(および顧客)から求められる
実務経験がどんなに豊富であったとしても、ほとんどの企業は学士号を持っている人を好む。学位がないからといって、自動的に失格になるわけではないが、今日の競争が激しい就職市場においては、学位を持っている応募者とそうでない応募者ではすでに差がついてしまう可能性が高い。
労働統計局によると、コンストラクション・マネージャーの求人の応募資格として、実地訓練に加えて「通常、学士号が必要」としている建設会社が大半で、特に大手企業となると、それに関連する科目の学位が必須とされているそうだ。
雇われの身でなく、たとえ自分で建設会社を経営する場合であっても、資格の証明となるような学士号を持っていれば、新規顧客の獲得が容易になる可能性は十分にある。
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デメリット:OJTの方が実践に役立つ
すべてのコンストラクション・マネージャーが輝かしい学歴によって職を手に入れたわけではない。自分で会社を運営したり、現在のポジションや役職に満足したりしている場合は、建築プロジェクトマネジメントの学位を取得するのではなく、OJTを選択する方が理にかなっているだろう。それに、もうすでに建築の分野で地位を築き、経験を積んできた人にとっては、学士号のプログラムでは十分な情報を得られないかもしれない。
実務経験から専門知識をすでに得ている場合は、現在の欠点や改善すべき点を特定し、それに対処するためのオンラインコースや建築マネジメントソフトウェアを探してみるといいだろう。
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メリット:学士号が経験を大きく後押しする
大学の授業で学んだことは、建設現場での実際の実務経験に取って代わることはできないが、この2つを組み合わせることで最高の利益を得ることができるかもしれない。大学のコースでは、より効果的かつ構造的に建設プロジェクトをマネジメントするための戦略やアプローチを学ぶことができる。
それゆえ、学位を持っていれば、手探り状態で試行錯誤をしながら実践で学んでいくのではなく、地に足をつけて取り組むことができるのだ。
物事では、わざわざゼロからやり直さない方が賢明な場合もある。大学の学部に入れば、ただ単に現場で働いているだけではわからない、少なくとも働いてすぐにはわからないような建築プロジェクトマネジメントに関する知識を学ぶことができるだろう。